医療のDX化が進むなか、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い遠隔医療の分野が急速に拡大しています。
遠隔医療の分野で特に有名なのはオンライン診療ですが、オンライン服薬指導にはどのような種類があるかご存じでしょうか?本記事では、実際にオンライン服薬指導の実施経験のある薬剤師が、代表的なオンライン服薬指導システムをご紹介いたします。
オンライン服薬指導システムとは
オンライン服薬指導システムとは、パソコンやスマートフォン、タブレットを用いて服薬指導を行うためのシステムです。患者さまは、オンライン診療後はもちろん、通常の対面の診療後からでも利用ができます。お薬は郵送で受け取りが可能なためさまざまな活用法が期待されています。
オンライン服薬指導のメリット
オンライン服薬指導には以下のようなメリットがあります。
- 感染リスクの低減
- 待ち時間の削減
- お薬をご自宅などで受け取れる
- オンライン診療と組み合わせることで診療からお薬の受け取りまで全てオンラインで完結できる
1.感染リスクの低減
患者さまは直接薬局に行く必要がないため、薬局滞在や外出による感染リスクを低減することができます。小さなお子さま、介護されているご家族などへの同行も必要ないため、安心してご利用いただくことが可能です。
2.待ち時間の削減
散薬や水剤のご用意、一包化などの場合、調剤にお時間を頂戴することもあるため、薬局内が混雑していると、患者さまにお待ちいただく時間がさらに増えてしまいます。オンライン服薬指導を利用すれば、患者さまは好きな時間に服薬指導の予約ができるため、ご自宅でリラックスして服薬指導を受けることができます。
3.お薬をご自宅などで受け取れる
患者さまによっては輸液や大量の外用剤のお渡しとなった場合、お持ち帰りいただくことが困難になることがあります。オンライン服薬指導後のお薬のお渡しは基本的に配送になりますので、患者さまの持ち帰り負担も軽減することができます。
もちろん、受け取りだけを対面にすることや、職場などの指定された場所に配送することも可能になりますので、患者さまのニーズに合わせて臨機応変にお薬をお届けすることができます。
4.オンライン診療と組み合わせることで診療からお薬の受け取りまで、全てオンラインで完結できる
対面での診療後に、オンライン服薬指導を利用することは可能ですが、オンライン診療と組み合わせることで診療からお薬の受け取りまでご自宅で全て完結することが可能です。
代表的なオンライン服薬指導システム
今回ご紹介するオンライン服薬指導システムは、日本調剤で利用実績のあるサービスも含め、下記6サービスをピックアップしました。
- NiCOMS(ニコムス)/日本調剤株式会社
- curon(クロン)お薬サポート/株式会社MICIN
- Pharms(ファームス)/株式会社メドレー
- LINE(ライン)ドクター/LINEヘルスケア株式会社
- YaDoc Quick(ヤードッククイック)/株式会社インテグリティ・ヘルスケア
- SOKUYAKU(ソクヤク)/ジェイフロンティア株式会社
1.NiCOMS/日本調剤株式会社
日本調剤株式会社が自社で構築したオンライン服薬指導システムです。
予約やビデオ通話機能、クレジット決済など基本的なシステムに加えてビデオ通話中にチャットも利用可能です。
日本調剤の薬局でのみご利用いただけますが、日本国内の貨物輸送を行う内航船での利用や、さまざまなオンライン診療システムとの連携など、幅広く利用シーンを広げています。
【参考】NiCOMS公式サイト
2.curonお薬サポート/株式会社MICIN
curonお薬サポートとは、薬局でご利用可能なオンライン服薬指導のシステムです。患者さまの管理や質問票などを送信できる「フォローアップ」機能や対面受診後も受け付けができる「処方箋ネット受付」機能などがあります。
さらに、一部地域ではありますが、ケーブルテレビのJ:COMと接続することで患者さまは、テレビでオンライン診療とオンライン服薬指導を受けることができます。「オンラインで受けてみたいけどスマホ操作が不安」といった患者さまにお勧めです。
【参考】curonお薬サポート公式サイト
3.Pharms/株式会社メドレー
オンライン診療システム「CLINICS」の薬局向けサービスです。
累計10,000店舗以上の薬局登録実績があります(2022年12月時点)。「CLINICS」との連携はもちろん、「オンライン服薬指導」や「服薬フォローアップ」、「店舗チェックイン」、「お薬手帳」といった調剤薬局業務をサポートする各種機能をクラウドを活用して提供しています。サポートも手厚く、YouTubeで医師や薬剤師向けにセミナーも行っています。
【参考】Pharms公式サイト
4.LINEドクター/LINEヘルスケア株式会社
厳密にはオンライン服薬指導システム単独では存在しませんが、薬局は、マッチングシステムという”空いている医療機関と薬局を自動マッチングする”システム利用時にのみ使用できます。「直ぐに受診したい」という患者さまのニーズに応えてシームレスな予約が可能となっています。
【参考】LINEドクター公式サイト
5.YaDoc Quick/株式会社インテグリティ・ヘルスケア
オンライン診療のイメージが強いYaDocですが、実は薬局にも導入することでオンライン服薬指導が利用できる「YaDoc Quick」があります。ヤマト運輸の法人向けwebサービス「ヤマトビジネスメンバーズ」の「送り状発行システムB2クラウド」とシステム連携しており、処方薬発送時の業務負担を軽減することができます。
【参考】YaDoc Quick公式サイト
6.SOKUYAKU(ソクヤク)/ジェイフロンティア株式会社
特定のエリア内であれば即日で配送が可能なオンライン診療・オンライン服薬指導システムです。
アプリ内には、よく通院する医療機関や薬局を登録するかかりつけ登録機能やお薬手帳機能が実装されています。また、患者さまは、利用した医療機関のレビューを投稿できるなどの特徴的な機能があります。
【参考】SOKUYAKU公式サイト
まとめ:日本調剤でのオンライン服薬指導
日本調剤では、自社で開発したオンライン薬局サービス「NiCOMS(ニコムス)」以外にも「curon」や「Pharms」を全国の店舗に導入しています。さらに、都内を中心に「LINEドクター」によるマッチングシステムにも対応しており、さまざまな患者さまのニーズに応えられる体制をご用意しております。
医療機関のオンライン診療導入のサポートやオンライン診療後の患者さまのサポートも行っており、医療機関・オンライン診療システム会社・日本調剤の3社間で打ち合わせを行い、具体的な運用方法も検討することができます。
オンライン診療の導入をご検討されている医療機関の方は是非日本調剤へお声掛けください。