2024.07.05|更新日:2024.09.25オンライン診療

新型コロナウイルス感染症流行を機に進化したオンライン診療のメリットと活用法

新型コロナウイルス感染症の流行により、医療の世界でも大きな変化が生じています。
その中でも、オンライン診療は急速に拡大し、多くの医療機関や患者さまに利用されるようになりました。
本記事では、新型コロナウイルス感染症流行によるオンライン診療の変化やそのメリットや活用方法について解説します。

新型コロナウイルス感染症流行がもたらしたオンライン診療の変化

コロナ流行により、オンライン診療への関心が高まりました。感染リスクを低減するために、多くの患者さまがオンライン診療を選ぶようになりました。これにより、医療機関はオンライン診療の導入を急ピッチで進めることとなりました。

厚生労働省が公表している「第15回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会資料1-2」では、電話・オンライン診療に対応する医療機関の数は、2020年4月時点で10,812機関だったのに対し、2021年4月には16,843機関と、1年間で約1.56倍に増加、医療機関における割合も15.2%となっています。

【参考】第15回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会資料1-2(厚生労働省)

【参考】高まる需要!患者ニーズに応えるオンライン診療

また、LINEヘルスケア株式会社では、オンライン診療「LINEドクター」において、花粉の飛散開始による花粉症診療の高い需要などを受け、2023年12月より2024年2月の3か月連続で過去最多の診療件数を記録し、2024年2月は昨年と比較して約2倍に伸長しました。
また、花粉症の診療件数は2024年2月に診療件数全体の約3割に拡大し、「LINEドクター」を含むオンライン診療が花粉症への有効な対策手段として定着しつつあることが伺えます。

【参考】オンライン診療「LINEドクター」、花粉症診療の需要高く3か月連続で過去最多の診療件数を記録。2024年2月は昨年比約2倍に伸長

オンライン診療の技術革新

オンライン診療の普及に伴い、様々なプラットフォームや技術が開発されました。ビデオ通話やチャット機能を備えた専用のオンライン診療プラットフォームが利用されています。
これにより、患者さまと医師は遠隔地でもスムーズにコミュニケーションを取ることができます。
さらに、新しい機能も導入されています。
例えば、DocsApp社のオンライン診療アプリでは、基本情報や症状などの入力内容から、AIが適切な診療科の医師を見つけ30分以内に診察ができる仕組みを実現し、オンライン診療の品質と効率性の向上に繋がっています。

【参考】DocsApp is Now MediBuddy - Online Doctor Consultation App

オンライン診療のメリットと活用方法

1.様々な症状に対応するオンライン診療

オンライン診療は、軽度から中等度の症状の管理に適しています。
風邪やインフルエンザのような症状や、薬の処方や病状のフォローアップなどもオンラインで行うことができます。
これにより、待合室や診療所での感染リスクを避けることができます。
特に高齢者や免疫力の低い患者さまにとっては、安心して診療を受けることができます。

2.長期治療の管理

慢性疾患の管理や定期的なフォローアップも、オンライン診療で行うことができます。
定期的な診察や薬の調整、検査結果の確認などをオンラインで行うことで、患者さまは通院の負担を軽減し、医師との連携も円滑に行うことができます。
患者さまは、待ち時間や移動時間を省くことができるため効率的に時間を使うことができます。
また、医師も診療時間の調整がしやすくなり、より多くの患者さまを対応することができます。

3.遠隔地や災害時の医療支援

地理的な制約がなくなるため、遠隔地や交通の便の悪い地域に住む患者さまでも、簡単に医療機関にアクセスすることができます。
これにより、地域格差の解消や医療の均等化に貢献することができます。

オンライン診療は、遠隔地や災害時の医療支援にも有効です。
例えば、地震や洪水などの災害が発生した場合、被災地の医療機関が被害を受けている可能性があります。
このような状況下でも、オンライン診療を活用することで、遠隔地の患者さまに対して医療支援を行うことができます。

4.精神的なサポートとカウンセリング

オンライン診療は、精神的な健康状態やカウンセリングのニーズにも対応することができます。
ストレスや不安、うつ症状など心の健康に関する相談や治療をオンラインで行うことができます。
ビデオ通話やチャットを通じて、患者さまへ適切なサポートやアドバイスを提供し、心の健康を維持することができます。

5.服薬指導と管理

オンラインで薬の指導や管理も行うことができます。
患者さまにとって、薬の正しい使い方や副作用の注意点を理解することは非常に重要です。
オンラインでの服薬指導は、患者さまの薬の使用に関する疑問や問題にも即座に対応することができます。
医師はビデオ通話やチャット機能を活用して、患者さまに適切な服薬指導を行い、薬の管理をサポートすることができます。
日本調剤では、多数の医療機関との連携、企業立病院や内航船でのオンライン服薬指導の実績があり、東京都など、自治体の新型コロナウイルスやインフルエンザなどの発熱外来にも対応してまいりました。
独自開発した「オンライン服薬指導サービス NiCOMS(ニコムス)」を、約12万人以上の患者さまにご利用いただいております。

オンライン診療の将来展望

1.オンライン診療の普及と利用の拡大

新型コロナウイルス感染症流行後も、オンライン診療の重要性は増しています。
今後も、オンライン診療のさらなる普及により、利点やメリットが広く認知され、多くの患者さまと医療機関がオンライン診療を選ぶようになるでしょう。
特に忙しい日常生活や遠隔地に住む患者さまにとって、オンライン診療は便利で効率的な医療手段として重要な役割を果たすことが予想されます。

2.オンライン診療の品質と利便性の向上

技術の進歩により、オンライン診療の品質と利便性がさらに向上するでしょう。
ビデオ通話やチャット機能の改善、データのリアルタイム共有、AIや機械学習の活用などが進められ、より正確で効果的な診療が可能になると期待されます。

3.デジタルヘルスケアの発展

オンライン診療は、デジタルヘルスケアの一環として位置づけられます。
患者さまの健康情報のデジタル化やモニタリング、健康アプリやウェアラブルデバイスの活用など、様々なデジタルツールがオンライン診療と組み合わせて利用されることで、より継続的で個別化された医療が提供されるでしょう。
技術の進歩や医療のニーズに合わせた新たな機能やサービスが開発されることで、ますますオンライン診療の品質と利便性が向上するでしょう。

4.都道府県をまたぐ医療連携

オンライン診療は地理的な制約を超えた医療連携を可能にします。
都道府県をまたいだ医師や専門家とのコンサルテーションやセカンドオピニオン、医療知識の共有などが容易になることで、医療連携が促進されるでしょう。
オンライン診療の将来展望は、技術の進歩や医療制度の変化、患者さまのニーズの変化などによって変動する可能性があります。
しかし、オンライン診療がより一般的になり、医療の質とアクセスの向上に貢献することは間違いありません。

新たな技術の導入

AIや機械学習の技術を活用した診療の未来も期待されます。
これにより、症状の判定や治療法の提案がより精度高く行われることが期待されます。
また、診療の効率化やデータの活用による病態の予測など、より先進的な医療の実現に向けた取り組みも進んでいます。

まとめ

新型コロナウイルス感染症の流行を契機として、オンライン診療は急速に進化しています。
感染リスクの低減やアクセスの向上といったメリットを持つオンライン診療は、医療の未来において重要な役割を果たすでしょう。
患者さまと医師の双方にとって利便性の高い診療手段として、ますます普及していくことが期待されます。

オンライン診療、オンライン服薬指導に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

日本調剤は医療のオンライン化にいち早く取り組み、豊富な実績がございます。

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