近年、オンライン診療の需要が急速に増えています。特に新型コロナウイルス感染症の流行以降、患者さまへの安全な医療サービスの提供が求められているため、 開業医やクリニック勤務の医師の皆さまには、オンライン診療の導入を検討していただきたいと思います。 本記事では、オンライン診療のメリットと同意書の重要性、そして同意書の作成方法について詳しく解説します。
オンライン診療の概要
まず、オンライン診療の定義と利点について説明します。オンライン診療は、患者さまが自宅やオフィスからインターネットを介して医師の診察を受ける方法です。オンライン診療には、感染症リスクの低減や患者さまの通院時間・待ち時間の削減といった利便性の向上などの利点があります。厚生労働省は、オンライン診療のガイドラインを策定しており、これに準拠することが重要です。
同意書の役割とは
患者さまのための役割:同意の確認・治療目的の明確化
同意書は、患者さまがオンライン診療に参加することに同意していることを確認するための重要な文書です。患者さまが診療や治療に参加する前に、同意書に署名することが求められます。また、患者さまが受ける治療や診察の目的や方法を明確にする役割があります。医療従事者は、オンライン診療の範囲や制約を説明し、患者さまに理解させるために同意書を使用します。
医療機関の役割:情報の共有の保護・責任の明確化
同意書には、患者さまの個人情報の共有や保護に関する規定が含まれることがあります。医療従事者は、患者さまの個人情報を適切に管理し、患者さまの同意なしに情報を共有しないことを保証します。また、医療提供者の責任や免責事項を明確にする役割も果たします。患者さまと医療従事者の間で合意された条件や制約を文書化することにより、責任の分担やリスクの認識が明確になります。
オンライン診療において同意書は、患者さまと医療従事者の間の信頼と透明性を確保するために非常に重要です。医療従事者は、適切な同意書の使用に努めることが重要です。
同意書の作成手順と運用
同意書を作成する手順について解説します。また、作成した同意書の運用に関しても併せて説明します。
1. テンプレートの作成
まず、オンライン診療の同意書のテンプレートを作成します。同意書には、患者さまの個人情報、同意事項、リスクと責任、料金や支払い方法などを含める必要があります。
日本医師会が公開している「オンライン診療入門-導入の手引き」に同意書のサンプルが記載されていますので、参考にするのもよいでしょう。
2. 法的要件の確認
オンライン診療の同意書は、地域の法的要件に準拠していることを確認する必要があります。医療関連の法律や個人情報保護法など、関連する法的要件を把握しましょう。
3. 専門家の承認
同意書の内容が適切かどうかを確認するために、医師や法律顧問などの専門家に相談しましょう。彼らは、医療診療の規制やリスクに詳しいため、適切なアドバイスを提供してくれます。
4. オンライン診療プラットフォームの統合
オンライン診療を提供するプラットフォームに同意書を統合する必要があります。多くのプラットフォームは、同意書のアップロードや電子署名機能を提供しています。
5. 患者さまへの提出と同意
オンライン診療の同意書を患者さまに提出する方法を検討しましょう。一般的には、事前に同意書を電子メールなどで送付し、患者さまに署名して返送してもらいます。または、オンラインプラットフォームを介して同意書に署名してもらうこともできます。
6. 同意書の保管
提出された同意書は適切に保管しておく必要があります。法的な目的や将来の参照のために、患者さまの同意書と関連する情報を安全な場所に保存してください。
以上が、オンライン診療の同意書作成の一般的な手順です。ただし、地域の法的要件や医療機関のポリシーによって異なる場合があるため、専門家への相談や適切なガイダンスを受けることが重要です。
オンライン診療システムの導入に向けて
オンライン診療システムを導入する際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。
まず、システム選定の基準を明確にしましょう。機能やセキュリティ、使いやすさなど、自身のニーズに合ったシステムを選ぶことが重要です。 また、システム導入後の運用方法や患者さまへの説明方法についても考えましょう。患者さまに対して、オンライン診療のメリットや利用方法をわかりやすく説明することが大切です。
まとめ
オンライン診療は、患者さまへのアクセス性の向上や感染症リスクの低減など、多くのメリットをもたらします。同意書は、法的な保護や信頼関係の構築に欠かせない要素です。開業医やクリニック勤務の医師の皆さまには、同意書の重要性を理解した上で、オンライン診療システムの導入を検討していただきたいと思います。
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