2024.08.02|更新日:2024.08.02オンライン診療

オンライン診療の保険適用: 開業医・クリニック医師向けガイド

オンライン診療は、現代医療における革新的な進化の一つです。本記事では、医師が知るべきオンライン診療の保険適用についての情報を提供いたします。これからオンライン診療システムを導入しようと考えている開業医やクリニック勤務の医師にとって必見の内容です。

オンライン診療とは?

オンライン診療とは、インターネットを通じて医師と患者さまがコミュニケーションを取りながら遠隔で診療を行うことです。遠隔地にいる患者さまとリアルタイムでのコミュニケーションや診察が可能となります。 オンライン診療には、患者さまや医療関係者にとって多くのメリットがあります。まず、感染症リスクの低減が挙げられます。病院やクリニックへの来院が不要なため、患者さま同士や医師や看護師との接触リスクを減らすことができます。また、患者さまの利便性の向上も大きなメリットです。交通や移動の負担が軽減され、お仕事や育児で外出が難しい患者さまでも簡単に診療を受けることができます。

オンライン診療の保険適用について

保険適用の基本原則

オンライン診療においても、保険診療の基本原則が適用されます。診療内容が保険診療の範囲に該当し、適切な診療行為が行われることが必要です。診療目的や診断基準を明確にし、保険適用の要件を満たすことが重要です。

保険診療と自由診療の違い

オンライン診療においても、保険診療と自由診療の違いが存在します。保険診療は、公的な保険制度が適用される診療であり、一定の基準を満たすことで患者さまは保険適用の恩恵を受けることができます。一方、自由診療は、保険制度の適用外の診療を指します。オンライン診療においても、保険診療と自由診療の違いを理解し、適切な診療を行うことが重要です。

保険適用されるオンライン診療の範囲

オンライン診療は、対面診療と比較して得られる情報が少ないため、オンライン診療の対象は慢性疾患かつ再診の場合が多く、さらに、再診であっても下記条件のもと実施されることがあります。

  • 初診から3ヶ月経過

  • 直近3ヶ月でオンライン診療を受ける医師と対面診療を毎月実施

  • 患者同意のもと、診療実施計画書作成

具体的な保険適用の範囲は、診療報酬点数や保険制度の改定によって変動することがあります。最新の政策や改定情報には常に注意を払い、保険適用される診療行為について正確な情報を提供することが重要です。診療報酬改定についての詳細は下記リンク先をご参照ください。

【参考】診療報酬の変遷から見るオンライン診療

セキュリティやプライバシー保護

情報漏洩・不正アクセス等の一定のセキュリティリスクがあることを医師・患者双方が認識し、合意をした上で使用することが必要です。医師はオンライン診療ツールの利用にあたり、セキュリティやプライバシーに関する規約等を確認し、セキュリティ対策の内容、セキュリティ事案や損害発生時の責任の所在、データ保存の有無や保存内容等について理解し、患者と合意の上で使用する必要があります。

オンライン診療対象の疾患

オンライン診療料が算定可能な疾患は主に、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病や、慢性頭痛、てんかん、指定難病で一定期間通院の実績がある方です。

保険診療と自由診療のどちらの診療方法が適切か判断する際には、以下のポイントを参考にしましょう。

  • 症状の程度:重篤な症状の場合は直接病院へ行くことが望ましいですが、軽度の症状や症状の確認が目的であれば、オンライン診療が適切です。

  • 緊急性:急を要する状況であれば、直接病院へ行った方が適切です。

  • 通院が困難な状況:自宅での対応が必要な場合や、通院が困難な状況であれば、オンライン診療が適切です。

  • 治療内容:過去の治療履歴や診断結果が必要な場合は、かかりつけ医との対面診療が適切ですが、一般的な相談であればオンライン診療が検討できます。

最終的に患者さまの状況やニーズに合わせて、どちらの診療方法が適切か判断しましょう。

【参考】オンライン診療の適切な実施に関する指針平成30年3月(令和5年3月一部改訂)厚生労働省

オンライン診療システム導入のステップ

システム選定のポイント

オンライン診療システムを導入する際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。セキュリティ対策や使いやすさ、カスタマーサポートなど、システム選定のポイントを検討しましょう。医療機関のニーズや予算に合った最適なシステムを選ぶことが重要です。

法的要件の確認

オンライン診療を行うには、一定の法的要件を満たす必要があります。例えば、プライバシー保護やセキュリティ対策に関する法規制を遵守することが求められます。法律や規制に基づき、適切な法的要件を確認しましょう。

導入とスタッフトレーニング

オンライン診療システムの導入は、スムーズかつ効果的に行う必要があります。システムの導入にあたっては、十分なトレーニングやサポートを提供し、医療スタッフがシステムを適切に利用できるようにすることが重要です。

患者さまに対する情報提供と指導

オンライン診療を利用する患者には、適切な情報提供と指導が必要です。オンライン診療の利用方法や注意事項、プライバシーに関する情報などをわかりやすく伝えることで、患者の安心感を高めることができます。

オンライン診療ツールの中には、オンライン診療の診療受付スケジュールの設定や患者さまへの請求作業までを同じシステム上で行えるものもございます。患者さまや医師のニーズに合ったツールの選定が重要です。

まとめ

オンライン診療の導入は、医師や患者さまにとって多くのメリットをもたらします。保険適用に関する最新情報を把握し、適切なシステムを導入することで、患者さまのニーズに応えつつ、医療提供の質を高めることができます。オンライン診療の可能性を最大限に活用し、より良い医療サービスを提供しましょう。

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