2024.09.06|更新日:2024.09.25オンライン服薬指導

医療徹底連携!時代を読むオンライン服薬指導

オンライン服薬指導とは、パソコンやスマートフォン等の情報通信機器を活用して実施する服薬指導のことです。
オンライン服薬指導の登場や利用手順、セキュリティ対策など、オンライン服薬指導についての取り組みを解説します。
医療連携を強化し、患者さまとの信頼関係を築いていきましょう。

オンライン服薬指導の登場とその背景

オンライン服薬指導は、近年の医療環境の変化を受けて登場しました。
オンライン服薬指導の経緯等について、厚生労働省「オンライン服薬指導について」(令和4年3月10日 第2回薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ 資料3-1 P.2、P.18)より一部抜粋します。

  • 2013年 薬事法改正で対面服薬指導義務を規定。
  • 2016年9月 国家戦略特区で、離島・へき地における遠隔服薬指導が開始。
  • 2019年9月 国家戦略特区で、都市部における遠隔服薬指導が開始。
  • 2019年12月 薬機法改正(令和2年9月施行)により、対面での服薬指導等の例外として、一定の条件の下、オンライン服薬指導を行うことが可能に。
  • 2020年4月10日 新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての時限的・特例的な対応として、初診も含め、電話やオンラインによる診療・服薬指導等を行うことを可能とした。(診療報酬上の特例措置は2023年7月31日で終了)
  • 2021年6月18日 「規制改革実施計画」において、新型コロナウイルス感染症が収束するまでの間、時限的措置を着実に実施するとともに、薬機法に基づくルールの見直しの方針が示され、令和3年度から検討開始。

さらに、2022年4月の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の改正により、2020年4月10日の新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての時限的・特例的な対応をほとんど引き継ぐ形で規制が緩和されました。

医療のデジタル化の進展と、新型コロナウイルス感染症の流行による患者さまや医療機関への負担軽減、医療への利便性が求められる状況が背景にあり、オンライン服薬指導は発展を続けています。
さらに、このシステムを利用することで、医療現場の効率化や、患者さまの満足度向上にもつながると言われています。

オンライン服薬指導の利用手順

患者さまがオンライン服薬指導を利用するには、まず医療機関や薬局で対応可能なシステムを確認し、必要に応じてアプリのダウンロードやアカウントの作成を行います。
次に、オンライン予約画面や専用サイトなどからビデオ通話の予約を作成し、服薬指導を希望する日時を選択します。
指導当日は、スマートフォンやパソコンにあらかじめ用意されたビデオ通話システムを起動し、薬剤師との通話を開始します。
通話中には、薬の正しい服用方法や注意点などを説明してもらえます。
通話終了後は、必要に応じてお支払いや薬の宅配サービスの手続きを行います。
これにより、患者さまは待ち時間を短縮し、自宅にいながら薬の受け取りや服薬指導を受けることが可能となります。

各オンライン服薬指導システムには、様々な便利機能が搭載されているものが多く、薬剤師の負担軽減や患者さまへのサービスレベルの向上が期待できます。

弊社では、2020年9月に「日本調剤オンライン薬局サービス NiCOMS(ニコムス)」を自社開発しております。
予約作成やビデオ通話機能、クレジット決済機能など基本的なシステムに加えてビデオ通話中にチャットも利用可能です。
日本調剤の薬局でのみご利用いただけますが、オンライン診療システムと連携し、幅広く利用シーンを広げています。

【参考】NiCOMS公式サイト

電子処方箋の取り扱いと調剤薬局の選択

電子処方箋の取り扱いを開始することで、患者さまや薬局との連携がスムーズになります。
電子処方箋によって、患者さまは自分に適した調剤薬局を自由に選択することができ、医師が処方する薬の情報をリアルタイムで確認することが可能です。
また、地域の調剤薬局との連携を強化することで、患者さまへのサービス向上や待ち時間の短縮が期待できます。
さらに、電子処方箋を活用することで、遠方の患者さまや介護施設での薬の管理が容易になります。
電子処方箋の取り扱いを導入することで、医療現場での効率化や患者さまの利便性向上につながりますので、ぜひご検討ください。
電子処方箋の基本的知識や導入のメリットについては、下記リンク先のお役立ち資料をご活用ください。

【参考】電子処方箋導入の医療機関メリット~オンライン診療との親和性~

オンライン診療後の対面服薬指導も可能

オンライン診療やオンライン服薬指導が普及する中で、対面服薬指導が実施できる環境を整えることも重要です。
オンライン診療後に対面服薬指導が必要な場合、患者さまは適切な服薬方法や注意点について直接質問でき、薬剤師からのアドバイスを受けることができます。
また、対面服薬指導を実施することで、患者さまの不安を解消し、信頼関係を築くことができます。
さらに、対面服薬指導を行うことで、患者さまが服薬を正しく理解し、効果的な治療が行われることが期待できます。
そして、オンライン診療と対面服薬指導を組み合わせることで、地域に密着した薬局のサービスや、患者さまからの評価も向上します。

オンライン服薬指導で配送される薬の取り扱い

オンライン服薬指導においては、医師が処方した薬を自宅で受け取ることができます。薬や薬剤情報提供書などの配送手続きは薬局が行います。

オンライン服薬指導で配送される薬の取り扱いについて、厚生労働省「調剤された薬剤の薬局からの配送等について」(事務連絡 令和4年3月31日 1.基本的な考え方 第2 (4) ⑥)から一部抜粋します。

薬剤の交付 薬局開設者は、オンライン服薬指導後、当該薬局において当該薬局の薬剤師が調剤した薬剤を、品質を確保した状態で速やかに患者に届けさせること。
調剤済みの薬剤の郵送又は配送を行う場合には、薬剤師による患者への直接の授与と同視しうる程度に、当該薬剤の品質の保持や、患者本人への授与等がなされることを確保するため、薬局開設者は、あらかじめ配送のための手順を定め、配送の際に必要な措置を講ずること。
なお、薬局は、薬剤の配送後、当該薬剤が確実に患者に授与されたことを電話等により確認すること(配達業者の配達記録やアプリケーション等での受領確認、配達記録が記載されたメール等による確認も含む)。
また、品質の保持(温度管理を含む。)に特別の注意を要する薬剤や、早急に授与する必要のある薬剤、麻薬・向精神薬や覚醒剤原料、放射性医薬品、毒薬・劇薬等流通上厳格な管理を要する薬剤等については、適切な配送方法を利用する、薬局の従事者が届ける、患者又はその家族等に来局を求める等、工夫して対応すること。

オンライン服薬指導後の薬の配送は、薬の品質の保持や患者さまへの確実な授与等がなされる範囲で実施されることが求められます。

保険適用外の薬や一般用医薬品も購入可能

オンライン服薬指導のサービスを提供する薬局では、保険適用外の薬の服薬指導や一般用医薬品の購入が可能な場合があります。
患者さまは自分に合った薬を選ぶことができ、薬剤師とのビデオ通話で質問や相談ができます。
日本調剤では、「日本調剤オンライン薬局サービス NiCOMS(ニコムス)」を使用して保険適用外の薬や一般用医薬品にも対応可能です。決済方法は、クレジットカードまたは代引きをご選択いただけます。

セキュリティ対策と個人情報保護の徹底

オンライン服薬指導では、個人情報や通信記録を適切に管理することが重要です。
薬局は、セキュリティ対策や個人情報保護ポリシーを定め、患者さまの情報の取り扱いについて徹底することが求められています。
それにより、患者さまは安心してオンライン服薬指導のサービスを利用することができます。

今後のオンライン服薬指導の取り組みと課題

オンライン服薬指導の今後の取り組みでは、さらなる利便性や安全性の向上が求められます。
患者さまへのサポートやアフターケアの充実、待ち時間の短縮、感染対策の強化などの課題に対応していくことが重要です。
また、オンライン診療やオンライン服薬指導の活用には、医療機関と薬局の連携が不可欠です。
今後も各関係者が一丸となって、オンライン診療やオンライン服薬指導の普及や改善に取り組むことが求められます。

日本調剤は医療のオンライン化にいち早く取り組み、豊富な実績がございます。

全国700店舗以上のスケールメリットを活かした"課題解決力"で、患者さまの治療に貢献するべく、貴院のオンライン化に伴走させていただきます。

オンライン診療、オンライン服薬指導に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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