2024.09.20|更新日:2024.09.25電子処方箋

電子カルテ導入のメリットとは?病院業務効率化と連携強化のコツを紹介

電子カルテ導入の必要性を理解し、病院業務効率化と連携強化を実現するためのポイントを紹介します。この記事では、医療業務のスムーズな連携の実現や情報管理の負荷を減らすメリット、院内システムとの連携ポイントなどについて解説しておりますので、電子カルテのメリットを把握し、医療機関の業務改善に役立てることができます。この記事が、貴院の電子カルテ導入を検討する際の参考資料となることで、医療機関の業務効率化と連携強化を実現する手助けとなります。

電子カルテ導入の必要性とは?

電子カルテの導入は、医療機関にとって必要不可欠な要素です。その理由は、診療効率の向上、医療ミスの減少、患者対応の効率化、業務連携の円滑化など多岐にわたります。具体例を挙げると、電子カルテにより患者さまの情報や検査結果をリアルタイムで確認・共有できるため、診療の効率が大幅に向上する点や手書きのカルテよりも正確で、ミスが減り、患者さまの安全が確保される点などが挙げられます。
また、診療にかかる時間が短縮され、患者さまの待ち時間が削減されるというメリットもあります。さらに、医療業務の連携がスムーズになり、病院、クリニックと薬局などの医療機関間での情報共有が容易になります。情報管理もデータベース化されることで、紙のカルテと比べて保管や検索の手間が省かれます。以上の理由から、電子カルテの導入は医療機関にとって非常に重要です。

患者対応をより効率化する電子カルテ

電子カルテは、患者対応を効率化するための重要なツールです。患者さまの情報や病歴、検査結果などが一元管理されることで、医師や看護師が迅速かつ正確に患者さまの状況を把握できるようになります。これにより、準備、調査の時間が短縮され、患者さまへの対応に時間をより使うことできます。また、医師や看護師が同時にアクセスできるため、情報の共有が容易になり、円滑な連携が実現されます。

医療業務のスムーズな連携を実現

電子カルテの導入により、医療業務の連携がスムーズになります。例として、検査結果や画像データがリアルタイムで共有されることで、各診療科や医療機関間の情報伝達が迅速に行えます。また、複数の医師が同時にカルテを閲覧・編集できるため、診断や治療方針の確認が容易になります。リアルタイム、同時閲覧ができることで医療スタッフ間でのコミュニケーションが円滑に進み、効率的な業務運営が可能になります。

情報管理の負荷を減らすメリット

電子カルテは、情報管理の負荷を軽減するメリットもあります。紙のカルテに比べ、電子カルテのデータは簡単に検索・更新でき、情報の整理や保管にかかる時間を削減できます。また、データのバックアップやセキュリティ対策により、紛失や漏洩のリスクが低減されることで医療機関の業務効率が向上し、スタッフの負担も軽減されます。

電子カルテの導入方法とは?

電子カルテの導入方法は、以下の手順で進められます。

  1. 貴院のニーズを明確にし、必要な機能を洗い出す
  2. 適切な電子カルテシステムを提供する会社をリサーチし、比較検討する
  3. 会社の選定後、システム会社と連携してシステム導入のスケジュールを立て、スタッフの研修を計画する
  4. システムの設置やデータ移行などの作業を進める
  5. システム運用が始まったら、スタッフのフィードバックをもとに改善を進める

また、導入時には、院内システムとの連携やセキュリティ対策なども検討することが重要です。

院内システムとの連携ポイント

電子カルテと院内システムの連携ポイントは以下のようになります。

  • 診療業務に必要なデータの共有や連携がスムーズに行えること
  • 検査データや画像、患者さまの予約情報などを効率的に管理できること
  • スタッフ間のコミュニケーションが円滑に行え、業務の生産性向上が見込めること

こうしたポイントを考慮して、どの電子カルテを導入し、院内システムとの連携をするかを検討しましょう。

選定時の注意点:セキュリティ対策

電子カルテの選定時のセキュリティ対策の注意点は、以下のような点が挙げられます。

  • 個人情報保護法や医療法などの法律・規制に対応できるシステムであること
  • データのバックアップや復旧ができる仕組みが整っていること
  • セキュリティアップデートや対策の継続的なサポートが提供されること

これらの点に留意し、適切な電子カルテを選定してください。

クラウド型電子カルテとオンプレミス型電子カルテの比較

クラウド型電子カルテとオンプレミス型電子カルテの違いは主に以下の点です。

  • システム管理:クラウド型は電子カルテメーカーが管理(システムアップデートや不具合の修正)を行い、オンプレミス型は貴院での管理(メンテナンス、システムアップデート)が必要
  • 導入費用:クラウド型は導入費用が低く、オンプレミス型は導入費用が高い傾向
  • セキュリティ:クラウド型は電子カルテメーカーがセキュリティ対策を行い、オンプレミス型は貴院でサーバーを持つため、インターネットに接続しなければ、インターネット経由での外部脅威の侵入は行われない

これらの違いを踏まえ、貴院のニーズや状況に応じた選択が求められます。

機能やコスト面での違いを解説

電子カルテは医療機関における効率的な業務運用の必要性から普及しています。機能面では、リアルタイムでのデータ共有や患者情報の迅速な確認が可能で、診療や検査結果の一元管理を実現します。一方、コスト面では初期費用や維持費が発生しますが、紙ベースのカルテと比較し省スペース化やデータ検索の効率化が図れるため、長期的にはコスト削減が期待できます。
電子カルテはクラウド型とオンプレミス型の2種類があります。前述で比較していますが、クラウド型はインターネットを介してデータをアクセスするため、場所や機器を問わず利用が可能ですが、セキュリティ対策が重要となります。一方、オンプレミス型は、病院内の専用サーバーにデータを保管する方法で、セキュリティ面での懸念が少ない一方、初期費用やサーバー管理費がかさむ傾向にあります。

どちらのタイプがあなたの病院に合うか?

病院の規模や運用状況に応じて、適切な電子カルテを選択することが重要です。オンプレミス型はセキュリティ面を重視し、クリニックや小規模な病院にはクラウド型の方が、より費用対効果が高いとされています。また、遠隔診療やオンライン予約機能など、貴院の業務内容に応じて必要な機能も考慮し選択することが求められます。

デメリットや懸念点を克服する方法

電子カルテ導入にはデメリットや懸念点も存在します。セキュリティ面では、個人情報保護法や医療情報の取り扱いルールが定められているため、適切な対策が必要です。クラウド型の場合は、信頼性のあるサービスプロバイダとの契約や定期的なバックアップも重要です。
また、データ入力ミスや機器トラブル対応に関しては、定期的なスタッフ研修やシステムのメンテナンスが欠かせません。停電対策も検討し、バッテリーや蓄電池を活用してシステム利用の安定化を図ります。

操作方法の習得:スタッフへのサポート

電子カルテの導入効果を最大化させるためには、スタッフの操作方法の習得が欠かせません。導入前後の研修やチュートリアルの提供、定期的なフォローアップを行い、スタッフがシステムを理解し適切に活用できる環境を整えることが重要です。また、システム運用に関するヘルプデスクやサポート体制の充実も、スムーズな運用が可能となるポイントですので、電子カルテの選定の際に、電子カルテメーカーのサポート範囲を確認してください。

万が一のトラブル対応:BCP対策

医療機関においては、万が一のトラブル対応やBCP対策※が重要です。電子カルテの導入により、データの保存や共有が容易になり、紙のカルテに比べて情報が失われるリスクが低くなります。加えて、システムによる定期的なバックアップやデータの保管場所の分散が可能で、データ復旧が迅速に行えます。
さらにクラウド型の場合は、外部からのアクセスも容易になり、災害時や緊急時の対応がスムーズになります。セキュリティ対策も重要で、医療機関は患者情報の取り扱いに細心の注意が必要です。電子カルテメーカーやサポート会社と連携し、最新のセキュリティ対策を適用することで安心して運用することが可能です。

※BCP対策とは、企業や団体が緊急事態発生時に事業を継続・復旧させるために、平時から準備しておく取り組み

電子カルテ導入のメリット

電子カルテ導入のメリットは、以下の通りです。

  • 効率的な診療と業務の改善:電子カルテにより、診療情報の共有や確認が容易となり、業務プロセスの効率化が図られます。また、検査結果や画像データ等の取り扱いも一元化され、情報の整理が容易になります。
  • クリニックや病院の運営の効率化:電子カルテを活用することで、受付業務や会計業務がスムーズになり、院内業務の時間短縮が図られます。さらに、電子カルテの導入によりスペースやコスト削減が期待できます。
  • 患者さまへのサービス向上:電子カルテを導入することで、オンライン診療システムとの連携がしやすくなりオンラインでの予約やオンライン診療が可能となり、患者さまへのサービスが向上します。また、診療情報の共有により、患者さまへの情報提供が充実します。

導入に当たっては、設置場所や事前の検討、スタッフの研修が重要です。適切なシステム選定や導入方法を検討し、運用後のサポートも確保しましょう。

地域医療への貢献

電子カルテ導入による地域医療への貢献は大きく、情報共有や連携が円滑に行えることで、地域の医療機関や患者さまに対するサービスが向上します。また、患者情報の一元管理により、他の医療機関との情報共有がスムーズになり、診療の質が向上します。さらに、地域医療の電子化による業務効率化やコスト削減が、機関運営に貢献し、地域医療の発展に寄与します。

電子カルテ導入を検討する上でのまとめ

電子カルテ導入によるメリットやデメリットを十分に検討し、導入を検討する際は以下のポイントに注意しましょう。

  • 適切なシステム選定:自院に合った機能やサービスを提供するシステムを選びましょう
  • コストの検討:導入費用やランニングコストを含めた総合的なコストを検討しましょう
  • セキュリティ対策:個人情報保護に関する法令やセキュリティ対策に沿った運用を行いましょう
  • スタッフの研修や導入後のサポート:スタッフの操作研修やシステムの更新・サポート体制を整えましょう

この機会に、電子カルテ導入を検討し、医療機関の効率化と地域医療への貢献を実現しましょう。医療機関を運営する方々にとって有益な情報が得られましたら、ぜひ次のアクションに移りましょう。

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