2024.09.20|更新日:2024.09.25オンライン服薬指導

オンライン服薬指導の全てを徹底解説!

医療現場のデジタル化が進む中、服薬指導もオンライン化が求められています。本記事では、オンライン服薬指導の必要性から具体的な内容、そして導入を検討されている医療機関向けの情報まで、詳しく解説していきます。さらに、オンライン服薬指導における医療機関や薬局の役割、厚生労働省のガイドライン、安全性に関する対策など、オンライン服薬指導の信頼性を高めるための情報もご紹介いたします。ぜひオンライン服薬指導について理解を深める参考になさってください。

オンライン服薬指導に求められていること

オンライン服薬指導において、対面時と同様に患者さまが処方された薬の正しい服用方法や副作用について適切な知識を得ることができ、安全に薬を使用できることが重要です。現代の医療環境は、オンライン診療の普及や、対面での服薬指導を受けられない患者さまも増えており、オンライン服薬指導の需要が高まっています。
具体例として、新型コロナウイルス感染症の流行や災害時など、外出が制限される状況下でもオンライン服薬指導により、患者さまが適切な情報を得ることが可能です。また、地域間の医療格差の解消や、患者さまの負担軽減にも寄与します。よって、オンライン服薬指導は現代医療の課題解決に有効な手段であると言えるのではないでしょうか。

テレヘルス(遠隔医療)の拡大で求められる新しい指導形式

テレヘルス(遠隔医療)の拡大に伴い、新しい指導形式としてオンライン服薬指導が求められます。これは、遠隔地の患者さまに対しても、医師や薬剤師から適切な指導を受けられるよう、ビデオ通話やチャットなどの通信機能を利用したオンライン服薬指導が実施できるからです。
これにより、患者さまが自宅で安心して服薬指導を受けることができ、医療機関への通院負担や感染リスクを軽減することが期待されます。また、医療従事者も効率的に服薬指導を実施することができ、患者さまの満足度向上につながります。

患者さまの利便性と医療の質の向上

オンライン服薬指導は、患者さまの利便性と医療の質向上に大きく貢献します。患者さまは、自宅で服薬指導を受けることが可能であり、通院の手間や時間を節約できます。また、医療機関との連携がスムーズに行われ、適切な処方が確保されることで、薬の効果や安全性が向上します。
さらに、患者さまの疑問や質問に対して、医師や薬剤師がオンラインで迅速に回答できることで、患者さまの不安が解消され、服薬アドヒアランスが改善されることが期待されます。結果として、患者さまの利便性向上とともに、医療の質が向上することがオンライン服薬指導のメリットとなります。

オンライン服薬指導の適切な対象とは?

オンライン服薬指導の適切な対象は、次のような患者さまです。

  • 専門医療機関へのアクセスが難しい遠隔地に住む方
  • 重篤な疾患を抱えており、通院が困難な方
  • 仕事や家庭の事情で通院に伴う時間的制約が大きい方
  • 継続的な服薬指導が必要な慢性疾患のある方

ただし、オンライン服薬指導が適切でない場合もありますので、医師や薬剤師と相談し、最適な方法を選択することが重要です。

コロナ禍でのリモート通信活用の拡大

新型コロナウイルス感染症の影響で医療業界でもリモート通信の活用が急速に拡大しています。 特にオンライン診療やオンライン服薬指導が注目を浴びており、患者さま自身が自宅から医師や薬剤師とビデオ通話を使って相談し、必要に応じて適切な指導を受けることが可能です。
これにより、外出を控えたい方や遠方に住む患者さまにも医療サービスが提供できるようになり、医療機関の利用者数の増加が期待されます。
また、オンラインで処方箋を送信し薬局で調剤が行われる電子処方箋も導入が進んでおり、患者さまと医療機関の双方に利益がもたらされています。さらに、本格的な導入に向けた厚生労働省のガイドラインも整備され、安全性が確保された状況での運用が推進されています。

健康の維持・管理に役立つ患者さまへの支援

患者さまの健康維持・管理をサポートするリモート通信は、健康状態を把握し、必要に応じて医療機関と連携することができます。例えば、オンラインでの服薬指導や健康相談により、患者さま自身が不安を抱えることなく、適切な治療を継続することができます。
また、医療機関と直接連絡を取り合うことで、医師や薬剤師が患者さまの服薬状況や健康状態をリアルタイムで把握し、必要な対応をスムーズに行うことが可能です。これにより、患者さまは適切な医療サービスを受けられるだけでなく、医療機関も患者さまの健康状態を把握しやすくなります。

オンライン服薬指導の実施手順

  1. 事前にパソコンやスマートフォンに適切なアプリやシステムをダウンロードし、インターネット環境が整っていることを確認する
  2. 対面またはオンラインで医療機関を受診する
  3. 医療機関から薬局へ処方箋を送信する
    ※患者さまは医療機関のスタッフにオンライン服薬指導を希望している旨と利用する薬局名を伝える
  4. 患者さまはオンライン服薬指導の予約を行う
  5. 予約した日時になったらビデオ通話を繋ぎ、オンライン服薬指導を受ける
  6. 決済、お薬を受け取る
    ※決済方法やお薬の受け渡し・配送については利用する薬局によって異なります

事前準備と患者さま登録の方法

オンライン服薬指導を受けるためには、まず患者さまがオンライン服薬指導を行う薬局を検索し、その薬局のサイトやアプリを利用して予約を行います。その際、薬局が提供するシステムやアプリの導入に必要な事前準備を行い、予約時に必要な個人情報を登録しておきます。登録が完了すると、予約した日時になれば薬局とのビデオ通話を利用して薬剤師による服薬指導を受けることができます。

ビデオ通話での服薬指導と質問受付

近年、オンライン医療が増え、ビデオ通話での服薬指導や質問受付が一般的になりました。患者さまは自宅から気軽に薬剤師と相談でき、薬の効果や副作用について質問できます。薬剤師は患者さまの状況を把握し、適切な服薬方法を説明し、患者さまが安心して薬を服用できるようサポートします。
オンライン服薬指導のメリットは、時間や場所を選ばずに利用でき、感染リスクを抑えることができる点です。ただし、利用にあたっては安全で信頼性のある通信環境が必要です。

薬剤師と患者さまとのコミュニケーションの重要性

薬剤師と患者さまのコミュニケーションは、適切な薬剤管理と患者さまの健康維持に欠かせません。薬剤師は患者さまからの質問に適切に応え、処方された薬の使用方法や注意点をわかりやすく説明することが求められます。
また、薬剤師は患者さまの健康状況や生活環境を把握し、問題があれば医師に報告する役割も果たします。コミュニケーションの質を高めることで、患者さまの満足度や治療効果が向上し、地域の医療に貢献できます。

オンライン薬剤管理の安全性・有効性の確保

オンライン薬剤管理が進む中、安全性・有効性の確保が課題となります。これを実現するには以下のポイントが重要です。
-適切なセキュリティ対策を講じたシステムの採用
-患者データの厳重な管理と保護 -薬剤師と患者さまの円滑なコミュニケーションの確立
-医療機関と連携し、情報共有を図る
これらの点を満たすことで、オンライン薬剤管理は地域密着型の診療所においても活用され、医療の質向上に貢献します。

電子処方箋における厚生労働省のガイドライン

電子処方箋とは、電子的に処方箋の運用を行う仕組みです。医師がコンピュータ上で作成し発行するデジタルな処方箋となっています。電子処方箋は医療機関と薬局間の情報共有の促進に活用され、患者さまが自身の服薬情報を管理することで、より安全で効率的な医療を提供することを目指しています。主なポイントは以下のとおりです。

電子処方箋管理サービスの利用
電子処方箋は、電子処方箋管理サービスを通じて、医療機関から薬局へ安全かつ効率的に伝達されます。クラウドサービスを活用した構成が推奨されます。

電子署名とタイムスタンプ
医師と薬剤師は、電子処方箋に電子署名とタイムスタンプを付与することで、責任と信頼性を担保します。

電子版お薬手帳との連携
電子処方箋と電子版お薬手帳を連携することで、患者さまは自身の服薬履歴を管理し、他の医療機関に情報を提供することができます。

フリーアクセス確保
患者さまは、電子処方箋に対応していない薬局でも、紙の処方箋によって調剤を受けることができます。

運用手順
医療機関と薬局間の電子処方箋の伝達、調剤、そして電子版お薬手帳への登録に至る一連の流れを詳細に説明しています。

安全管理
電子署名、タイムスタンプ、ネットワークセキュリティなど、医療情報の安全性を確保するための具体的な対策を規定しています。

サービス停止時の対応
電子処方箋管理サービスが停止した場合でも、医療機関は紙の処方箋を発行することで、患者さまへの薬剤提供を継続できます。

普及促進
複数の電子処方箋管理サービス間の相互運用性、認証制度の整備など、今後の電子処方箋普及に向けて、さらなる課題と対策を検討していく必要性を強調しています。


【参考】厚生労働省「電子処方箋の運用ガイドライン 第2.1版

安全性リスクの評価と対策

オンライン薬剤管理においては、安全性リスクの評価と対策が重要です。主なリスクには、個人情報の漏洩や誤った薬の服用があります。これらのリスクを軽減するためには、以下の対策が必要です。
-医療機関や薬局との連携を強化し、情報共有を徹底する
-厳格なセキュリティ対策を講じることで、患者情報の保護を図る
-オンライン服薬指導時には、薬剤師が丁寧な説明を心掛けることで、誤った薬の服用を防ぐ
これらの対策を実施することで、オンライン薬剤管理の安全性が確保され、患者さまに対して適切なサービスが提供できます。

オンライン服薬指導に関わる医療機関・薬局の役割

オンライン服薬指導において、医療機関と薬局の役割は、患者さまの薬に対する理解を深めることです。患者さまが適切な服薬方法を実践できるよう、薬剤師がオンラインで服薬指導を行います。
具体的には、まず医師が診療を行い、必要に応じて処方箋を発行します。続いて、患者さまがオンライン服薬指導を利用します。薬剤師は患者さまから質問があれば、適切に対応し、薬に関する注意事項や管理方法について説明します。
医療機関と薬局は、患者さまが安全かつ適切な服薬方法を実践できるよう、連携してサポートします。
【関連記事】オンライン診療でも重要な薬局との連携

医療機関側でのシステム導入と連携

医療機関では、オンライン診療・オンライン服薬指導を実施するために、適切なシステムを導入し、連携が重要です。これによって、患者さまが自宅で診療や服薬指導を受けることができます。例えば、ビデオ通話機能を有した専用アプリやサイトを利用し、医師とのオンライン診療や薬剤師とのオンライン服薬指導が可能となります。

薬局側での適切な対応とサポート

薬局では、薬剤師がオンライン服薬指導を行うことで、患者さまに適切な対応とサポートを提供します。薬剤師は、患者さまの質問に答えたり、薬の効果や副作用、飲み合わせ等について説明します。また、薬の管理方法や注意点を伝えることも重要です。これらの対応により、患者さまの健康維持に役立ちます。

最後に:オンライン服薬指導の今後の展望と課題

オンライン服薬指導の今後の展望としては、多くの医療機関や薬局がオンラインサービスを導入することで患者さまの利便性が向上するでしょう。しかし、医療機関や薬局ともにシステムの導入や運用に伴うコストや人員の確保などの課題も存在します。また、患者さまのプライバシーや個人情報保護に配慮し、安全なシステムを構築することが重要です。
これらの課題を解決して医療機関や薬局がより一層連携することで、オンライン診療・オンライン服薬指導のサービスが進化していくことが期待されます。ぜひオンライン服薬指導も選択肢の1つに加えてみてはいかがでしょうか。

日本調剤オンライン薬局サービスNiCOMS

日本調剤が自社開発したオンライン服薬指導サービスです。日本調剤の全国の店舗で導入しており、薬局の薬剤師からの服薬指導が自宅などからオンラインで受けられます。ご自宅までお薬の配送も行っておりますので、薬局に行くことができない方でもスマートフォンやパソコンから簡単にご利用いただけます。

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