2024.11.01|更新日:2024.11.01電子処方箋

電子処方箋導入完全ガイド!メリットと活用法

電子処方箋の導入が進む現在、医療機関における効率化や患者さま満足度向上が期待されています。この記事では、電子処方箋のメリットや活用法について詳しく説明しています。電子処方箋の導入に関心のある医師の方には、具体的な内容を知ることで活用可能なポイントが明確になり、より効果的な運用が見込めるでしょう。ぜひ参考にしてください。

電子処方箋の基本情報

電子処方箋は、医療機関で発行される処方箋を電子化したもので、薬局での調剤が可能となります。これまでの紙の処方箋に代わり、オンラインで薬局と医療機関が処方箋データを共有できるシステムです。
各医療機関では、電子処方箋システムの導入が進められており、全国的な普及が期待されています。電子処方箋システムの利用には、医師が電子署名を行い、患者さまがマイナンバーカードを利用した認証を行うことが基本となります。
このようなシステムの導入により、医療機関と薬局の連携が更に進み、患者さまの服薬管理が容易になることが期待されています。また、調剤過誤や重複投薬の防止にもつながり、医療の質が向上することが見込まれます。
電子処方箋は、これからの医療業界において、大きな変革をもたらすシステムといえるでしょう。

電子処方箋のメリットと仕組み

電子処方箋のメリットは、まず医療機関において、紙の処方箋に比べて管理が容易になることです。処方箋の紛失や誤った内容の記載も防げますし、薬剤師が電子データを利用して調剤するため、調剤過誤が減少することが期待されます。

また、電子処方箋システムを活用することで、複数の医療機関や薬局がデータを共有できるため、患者さまの過去の処方履歴や薬剤の併用による相互作用の確認が容易になります。

仕組みとしては、患者さまが医療機関で診察を受けた際に、医師が電子署名を行い、電子処方箋が発行されます。薬局で薬剤師がオンラインで処方箋データを確認の上、薬を調剤します。

患者さまと医療機関の双方に対する利点

患者さまにとっての利点は、紙の処方箋を持ち歩かずに済むこと、複数の医療機関や薬局で処方履歴を一元的に管理できること、そして調剤過誤や重複投薬の防止につながることです。これらにより患者さまの安全性が向上します。

医療機関にとっての利点は、処方箋の管理が容易になること、調剤過誤の減少による医療事故のリスク軽減、さらに医療機関間での情報共有による連携強化が可能となることです。これらは、医療機関において業務効率化や医療の質の向上に寄与します。

電子処方箋導入の医療機関メリット
~オンライン診療との親和性~

【こんな方におすすめ】

  • これから電子処方箋を導入したい
  • 電子処方箋の仕組みを知りたい
  • オンライン診療に電子処方箋を活用したい

医療機関・薬局での導入手順

導入準備としては、電子処方箋のシステム事業者を選定し、見積もりを依頼します。また、電子署名を行うためにHPKIカードの発行申請をします。HPKIカードは医師・薬剤師ごとに申請が必要です。
HPKIカードの発行申請が完了したら、医療機関等向け総合ポータルサイトで発行申請完了の登録を行ってください。

次に、システム事業者にシステムの導入を発注します。また、医療機関・薬局ではHPKIカード読み取り用のICカードリーダーを購入します。これら2点が完了したら、医療機関等向け総合ポータルサイトで電子処方箋の利用申請を行います。

続いて、電子処方箋対応版ソフトウェアがシステム事業者から提供されます。システム事業者に確認し、医療機関・薬局で設定が必要な場合は指示に従って対応してください。

電子処方箋対応版ソフトウェアが問題なく動作することを確認できたら、医療機関等向け総合ポータルサイトで運用開始日を登録します。

実際に運用を開始するまでに、医師・薬剤師やスタッフがスムーズに運用できるよう、マニュアルを確認しておきましょう。また、自施設の患者さまやスタッフの動きに合った業務手順を考えておくといいでしょう。

【参考】医療機関等向け総合ポータルサイト 「手順書・マニュアル」の一覧

厚生労働省「電子処方箋導入に向けた準備作業の手引き」では、導入準備の手順が詳細に紹介されています。電子処方箋の導入をご検討の方は、ぜひこちらもご覧ください。

導入拡大に向けた厚生労働省の取り組み

厚生労働省は、全国の医療機関に電子処方箋の導入を促すために様々な取り組みを実施しています。
具体的には、電子処方箋の普及・啓発活動を行い、関連する法令や仕組みについての説明を提供しています。また、地域ごとの導入状況を把握し、適切な支援策を提案するために情報収集・分析を行っています。さらに、電子処方箋導入に対する疑問・懸念に対し、専門家による解説や資料提供を通じて対応しています。

これらの取り組みを通じて、医療機関が電子処方箋システムの導入や運用において迷わず、円滑に進めることができるよう支援しています。

補助金制度

電子処方箋の導入にあたっては、補助金制度が利用できます。

2024年10月時点では、電子処方箋管理サービス(令和4年度からの実施分)の導入に対する補助金と、電子処方箋管理サービス新機能(機能拡充)の改修に対する補助金の2種類があります。
電子処方箋管理サービス(令和4年度からの実施分)の導入に対する補助金は、電子処方箋管理サービスの初期導入にかかった費用に対する補助金です。
一方、電子処方箋管理サービス新機能(機能拡充)の改修に対する補助金は、電子処方箋管理サービスに・リフィル処方箋や口頭同意による重複投薬等チェック結果の閲覧、マイナンバーカード署名などの新機能を追加する際に要した費用に対する補助金です。
2つの補助金はそれぞれ申請が可能で、新規導入の際に新機能も同時に導入する場合は同時申請も可能です。

医療機関等向け総合ポータルサイトに申請の流れや補助金の詳細、申請に必要な書類などが紹介されています。ご興味がございましたら、ぜひご確認ください。

このような補助金制度を活用することで、導入負担を軽減させ、効率化や業務改善への取り組みが加速し、医療機関にとって大きなメリットとなります。

ぜひ、今後の導入計画や補助金制度に注目しながら、電子処方箋の導入を検討してみてください。

電子処方箋の運用上の注意点

電子処方箋は、医療機関と薬局の連携を円滑にし、患者さまの利便性向上に寄与します。ただし、運用上の注意点も存在します。

まず、システム導入に伴う初期投資や維持費が発生します。クリニックごとに異なるため、費用対効果を検討しましょう。次に、データ漏洩・改ざんリスク対策が重要です。システムは厚生労働省が推奨するHPKIに対応したものを選び、セキュリティ対策を徹底しましょう。また、医師・薬剤師・事務スタッフが操作方法を習得する必要があります。研修・練習時間を確保しましょう。

  • 電子署名の取得と更新
  • 患者さまの本人確認

上記2点は特に重要で、運用ルールを徹底して実施することで、適切な電子処方箋の運用が可能です。

禁忌および重複投薬リスクのチェック機能

電子処方箋システムには、禁忌および重複投薬リスクのチェック機能が搭載されています。この機能を活用することで、患者さまの治療安全に貢献します。

リスクチェック機能では、薬剤相互作用や禁忌を自動で識別し、適切な投薬の指導が可能です。さらに、過去の投薬履歴を参照し、併用禁忌や用量調整が必要な場合も適切に対応できます。

また、全国の調剤薬局で処方・調剤の履歴を共有できるため、重複投薬を防止し、効果的な治療が実現できます。

ただし、チェック機能に過信せず、医師・薬剤師は自身の判断も大切です。システムの不具合や、特殊な症例を解決するために、適切な教育・継続的な情報収集が求められます。

電子処方箋導入の利点と展望

電子処方箋導入は、医療の効率化、患者さまの利便性向上、治療の質の向上に寄与します。しかし、運用上の注意点や、禁忌・重複投薬リスク対策も重要です。医療機関としては、システム選定や教育の重要性を理解し、運用ルールを徹底することで、電子処方箋の恩恵を享受できます。今後、さらなるシステムの発展が期待される中、電子処方箋への関心を高め、早期の導入を検討してみませんか。

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