2024.11.15|更新日:2024.11.15オンライン診療

オンライン診療で開業!成功へのポイントとは?

開業の際にオンライン診療の実施をお考えの医師の皆さん必見です。この記事では、オンライン診療とは何か、開業の実現性、メリット・デメリットや適した診療科目などを詳しく説明します。さらに、オンライン診療システムの選び方や保険適用対応についても解説しますので、ぜひご一読ください。

オンライン診療とは?

オンライン診療とは、インターネットを利用して医師と患者さまが遠隔で診察を行う医療サービスです。新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、日本では厚生労働省がオンライン診療の普及を推進しています。
患者さまはスマートフォンやパソコンを使って、自宅やオフィスで診察を受けることができるため、待ち時間が短縮され、感染リスクも低減されます。一方で、医師は診療の効率化により、より多くの患者さまへの対応が可能となります。

対面診療との違い

対面診療とオンライン診療の違いは、主に次の3点です。

  1. 診療の場所
    対面診療はクリニックや病院で行われますが、オンライン診療は患者さまが自宅や職場で診察を受けることができます。
  2. 診療時間
    対面診療は診療時間が限られているのに対し、オンライン診療は予約システムを利用することで、患者さまが好きな時間に診察を受けることができます。
  3. 感染リスク
    対面診療では患者さまが待合室で待つことで感染リスクが高まりますが、オンライン診療は遠隔で行われるため、感染リスクが低減されます。ただし、対面診療でしか確認できない症状や検査が必要な場合がありますので、医師が適切な判断を行い、必要に応じて対面診療を行うことが大切です。

オンライン診療のみでの開業の実現性

オンライン診療のみでの開業は、実現可能です。ただし、対面診療を提供できる体制を整えておく必要があると情報通信機器を用いた診療に係る基準に記載されています。

イ 対面診療を適切に組み合わせて行うことが求められていることを踏まえて、対面診療を提供できる体制を有する。

厚生労働省「情報通信機器を用いた診療に係る基準(A000、A001、A002)」より抜粋

開業に必要な手続きと条件

開業を行う際には、保健所や厚生局と連携して様々な手続きを進める必要があります。開設届の提出や保険医療機関指定申請を行い、医療保険診療においては、医療機関コードや診療報酬の請求に必要なレセプトコンピューターの導入が不可欠です。加えて、医療機器や薬局との連携、個人情報の管理なども重要ですので、事前に各所への相談や検討が求められます。さらに、新規開業時の資金調達や運営にかかる費用の見積もり、スタッフの採用なども行うことが求められます。

オンライン診療を導入するメリット

オンライン診療を導入することにより、患者さまとのアクセシビリティが向上し、医療機関にとっては、診療効率の向上による医療従事者の業務負担軽減にもつながります。

患者さま満足度向上

オンライン診療の導入により、患者さまの利便性が向上し、満足度が高まります。診療時間の短縮や待ち時間の削減が期待できるため、患者さまのストレスが軽減されるだけでなく、遠隔地や高齢者など、通院が困難な患者さまへの対応も容易となります。また、感染症流行時には感染リスクを低減することができる点も大きなメリットです。
さらに、オンライン診療による適切な医療相談やフォローアップが可能となり、患者さまの安心感や信頼性の向上につながります。

診療効率化と収益拡大

オンライン診療導入によって診療効率が向上し、時間の節約が図られます。これにより、多くの患者さまを診察することが可能となり、収益拡大につながります。また、オンライン診療は地域や時間帯にとらわれず、遠方の患者さまも対応できるため、患者層が拡大します。
さらに、オンライン診療の導入に伴い、診療報酬の改定や支援策が進められており、収益性の向上が期待できます。患者さま満足度が向上し、口コミによって広まることで、新たな患者さまの獲得につながることも期待されます。

オンライン診療のデメリットと対策

オンライン診療は医療の現場で活用されていますが、デメリットも存在します。
例えば、対面診療に比べて診断の精度が低くなる可能性があります。これは患者さまの症状を直接見ることが難しいためです。しかし、事前に患者さまから詳細な情報を収集し、適切な質問を行うことで診断の精度を向上させることができます。
また、患者さまとのコミュニケーションが不十分になることもデメリットです。これは特に初診の患者さまにおいて顕著に表れます。対策として、オンラインでのコミュニケーションスキルを向上させることが重要です。具体的には、ビデオ通話を使って患者さまの声や表情を確認し、適切な対応を心掛けましょう。
さらに、オンライン診療では技術的なトラブルが発生することもあります。トラブルに対処するために、事前に機器のテストやシステムのアップデートを行うようにしましょう。

セキュリティリスクの管理

オンライン診療では、患者さまの情報が漏れるセキュリティリスクがあります。これに対処するために、個人情報保護法や医療法などの法令に従って、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。具体的には、安全な通信プロトコルを使用し、データの暗号化を行うことが求められます。
また、サーバーやネットワーク機器の適切な管理も重要です。定期的なセキュリティチェックを実施し、不正アクセスやウイルス感染を未然に防ぎましょう。
さらに、患者さまの承諾を得た上でオンライン診療を行うことが重要です。患者さまにオンライン診療のリスクや手続きを説明し、同意が得られた場合のみ診療を実施してください。

法規制への対応

オンライン診療は、医療法や個人情報保護法などの法規制を遵守する必要があります。遵守すべき法規制は多岐にわたるため、診療所の運営者や医師自身が十分に理解し、適切な対応が求められます。 具体的には、オンライン診療で使用する機器やシステムが法令に適合しているか確認し、適切な運用プロセスを策定することが重要です。また、医師やスタッフの研修を実施し、法規制に対する意識を高めることも必要です。
さらに、厚生労働省や関連機関からの指針や改定に迅速に対応し、オンライン診療のサービスを常に最新の法規制に適合させていくことが求められます。

オンライン診療に適した診療科目

オンライン診療は、特に精神科や心療内科などのカウンセリングが主体となる診療科目に適しています。これは、患者さまの症状を直接目視しなくても、話し合いだけで診断や治療が可能だからです。
また、内科や皮膚科でもオンライン診療が活用されています。これは、症状や経過が比較的わかりやすく、適切な質問や情報収集で対応可能だからです。
ただし、外科や眼科など、患者さまの身体を直接検査しなければ診断が難しい診療科目では、オンライン診療の活用が制限されます。このような科目では、オンラインでのカウンセリングに留め、具体的な診察は診察室で行うよう対応しましょう。

専門外来の展開可能性

専門外来を展開することは、地域の医療ニーズに応えるだけでなく、診療所の患者数を増やす効果が期待できます。その理由は、専門外来により、一般的な診療に加え、特定の疾患や症状に対応した治療が可能になるためです。
例えば、糖尿病や高血圧、アトピー性皮膚炎などの専門外来を設けることで、それらの疾患を持つ患者さまが増える可能性があります。
また、専門外来の開設には、適切な医療機器やスタッフの研修が必要になることもありますが、その分新しい技術や知識を身につけることができ、医師としてのスキルアップにもつながります。
最後に、専門外来を展開する際には、地域の患者さまニーズや競合状況を調査し、適切な診療内容を検討することが重要です。 

オンライン診療システムの選び方

オンライン診療システムを選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • システムの使いやすさ: 医師やスタッフが容易に操作できるかどうか
  • 診察内容の記録機能: オンライン診察時の情報を電子カルテに自動的に入力できるかどうか
  • 保険請求対応: オンライン診療の保険請求がスムーズに行えるかどうか
  • セキュリティ対策: 患者さまの個人情報を適切に保護できるかどうか
  • サポート体制: システムトラブルや操作方法に関する問い合わせに迅速に対応できるかどうか

具体的なサービス選びでは、各社の提供するサービス内容や費用を比較検討し、貴院に適したシステムを選ぶことが重要です。

価格と機能性のバランス

オンライン診療システムの価格と機能性のバランスを考慮する重要なポイントは、診療所の患者数や診療内容に応じて、適切な価格帯のシステムを選ぶことです。高機能なシステムほど高額ですが、必要以上に高機能なシステムを導入するとコストがかさんでしまいます。
一方で、安価なシステムを選ぶ際には、機能性やサポート体制が犠牲になる可能性があるため注意が必要です。
日本調剤ではオンライン診療の導入にあたっての個別のご相談も承っております。

オンライン診療、オンライン服薬指導に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

保険適用対応とサポート体制

オンライン診療では、保険適用対応が重要です。選ぶシステムが保険適用に対応しているかどうかを確認し、保険適用時の手続きがスムーズに行えるシステムを選ぶことが求められます。
また、サポート体制も重要なポイントです。トラブルが発生した際や疑問点がある場合に、迅速かつ適切なサポートが受けられるシステムを選ぶことが望ましいです。システム選定時には、サポート体制を確認するだけでなく、実際にサポートを利用した際の評価や口コミを参考にすると、更に良い選択ができます。

まとめ:オンライン診療開業への挑戦

オンライン診療で開業するためには、専門外来の展開可能性、オンライン診療システムの選び方や価格と機能性のバランス、保険適用対応とサポート体制を十分に検討することが重要です。これらのポイントを踏まえつつ、貴院に適したオンライン診療システムを選びましょう。今後は、ますますオンライン診療の需要が高まることが予想されますので、ぜひこの機会にオンライン診療を用いた開業への挑戦を検討してみてください。

日本調剤は医療のオンライン化にいち早く取り組み、豊富な実績がございます。

全国700店舗以上のスケールメリットを活かした"課題解決力"で、患者さまの治療に貢献するべく、貴院のオンライン化に伴走させていただきます。

キーワードで検索

お役立ち資料ダウンロード

オンライン診療導入ガイド

【こんな方におすすめ】

  • オンライン診療の導入を検討している
  • オンライン診療導入の基本的な手順を知りたい
  • オンライン診療を導入したいが、なにから始めたらいいか分からない