薬局

「NiCOMS(ニコムス)」を通して、選ばれる薬局、選ばれる薬剤師へ

日本調剤 管理薬剤師
石川 愛弓さん

全国で調剤薬局を展開する日本調剤では、オンライン服薬指導の取り組みを進めています。患者さまに選ばれる薬局になるためにどのような取り組みをしているのか。今回は、日本調剤でオンライン服薬指導の実施経験が豊富な、管理薬剤師 石川さんにお話を伺いました。

肩書・ご活動の状況などはインタビュー当時(2022年6月)のものです。

実際の対談は、感染症対策に万全を期して実施いたしました。

患者さまのニーズに応えられるツール=「NiCOMS」

――患者さまのニーズと「NiCOMS」との親和性はどのような部分でしょうか?

私が勤めている薬局は他社の調剤薬局が多い地域にあり、薬局スタッフみんなで「当薬局が患者さまから選ばれるために、工夫できることはないか?」ということを常に考えています。その一つとして、ご来局された患者さまには、当社が提供しているサービスの一つである「オンライン薬局サービス NiCOMS」をご紹介し、体調が優れずご自宅から出られない場合や、新型コロナウイルス感染症にかかってしまった場合にも活用できることをお伝えしています。
患者さまからは、「オンラインも便利そうだね」「職場で休み時間に受けたい」などのお声をいただきました。「NiCOMS」をご案内するなかで、患者さまごとのニーズに応えられるツールなのだと、改めて感じています。

――「NiCOMS」の導入で大変だったことはありますか?

導入当初は、ビデオ通話やシステムの操作に不慣れで心配はありました。しかし、スタッフ同士で何度も操作を試してお互いの疑問を解決することで、より良いオンライン服薬指導ができるようになったと思います。今では自信を持って患者さまへご案内できるようになりましたし、「NiCOMS」の便利さを一人でも多くの方に感じていただきたいという思いで、スタッフ一丸となって取り組んでいます。

薬の準備をする薬剤師

患者さまの“ちょうど良いタイミング“で受けることができるオンライン服薬指導

――オンライン服薬指導を便利に使っていただけるシーンはどのようなものがあるでしょうか?

病院や薬局に行く時間をとることが難しい方、日中はお仕事などで忙しい方からは便利だというお声をいただいています。普段は薬局内で待つことに使っている時間を、オンライン服薬指導であれば自分の時間として自由に使える点が好評です。仕事の隙間時間にオンライン服薬指導を受ける患者さまもいらっしゃり、薬が自宅に届くという便利さを感じていただいています。
また、小さなお子さまがいる患者さまにもご活用いただくケースが多いです。薬局ですと、薬の内容によっては調剤に時間がかかるものもあり、薬局内でお待たせしてしまうこともあるのですが、ご自宅でオンライン服薬指導を受ける場合は、お子さまのお昼寝の時間など、ちょうど良いタイミングを選ぶことができます。オンライン服薬指導は、ご自身の状況や生活スタイルによって、便利にご活用いただけます。

「便利」と感じていただけることが嬉しい

――オンライン服薬指導を行った患者さまとのエピソードで、嬉しかったことを教えてください。

ご来局時に、オンライン服薬指導の概要と「NiCOMS」についてご案内した患者さまで、次のご利用時にオンライン診療とオンライン服薬指導を受けた方がいらっしゃいます。やはり、オンライン服薬指導を知らない患者さまが多いので、こちらが説明することで「便利そうだな」と感じていただき、実際にご利用いただけたことが嬉しかったです。
また、ご家族で新型コロナウイルス感染症にかかってしまった患者さまが、どなたも薬局へ薬を受け取りに来ることができない状態でしたので、その時に「NiCOMS」をご利用いただきました。その後、完治されてから来局してくださった際に「家から一歩も外に出ることなくお薬を受け取ることができたので助かりました。今後も使っていきたいです。」というお声をいただいたことが心に残っています。

「NiCOMS」を通して、患者さまとの距離が縮まった

――薬剤師の目線で、「NiCOMS」を利用して良かったと思うことを教えてください。

一番は、患者さまとの距離が縮まったことです。「NiCOMS」では、患者さまのご都合の良い日時を選んで予約していただきますので、ゆっくり話をしたり、ご相談を受けることができていると感じます。ご自宅などの慣れている環境で、周りの目を気にしなくてよいことがポイントかもしれません。
また、ビデオ通話ですので、かかりつけの患者さまともオンライン上で顔を合わせてお会いできるのは嬉しいです。

オンライン服薬情報を行う薬剤師

――オンライン服薬指導だからこそ、気を付けていることはありますか?

対面のとき以上に、声のトーンや表情に気を付けています。特に、マスクをしていて目元しか見えませんので、目線は意識しています。最初はカメラに向かって話すことに慣れず、薬を画面に映すのも難しかったのですが、患者さまの画面ではどのように映るのか、薬局のスタッフ同士で試行錯誤したのを覚えています。

――今後はどのような薬局、薬剤師を目指しますか。

今まで以上に、「この薬局でオンライン服薬指導を受けたい」と選んでいただける薬局を目指したいです。そのためには、対面のときも、オンラインのときも、「患者さまに寄り添える力」や「コミュニケーション能力」が重要だと思っています。私は薬局責任者の立場ですので、スタッフ全員がこれを常に意識するよう伝え、世代や疾患に関わらず、患者さまときちんとコミュニケーションをとれる薬剤師の育成に努めています。
最近は、「NiCOMS」を通して信頼関係を築いた患者さまから、さまざまなご質問をいただくようになりました。リフィル処方箋の仕組みをご説明したり、マイナンバーカードを健康保険証として利用する方法、電子処方箋に関することなど、オンライン服薬指導以外のご質問をいただくことが増え、とても嬉しいことだと感じています。
これからも、薬局スタッフ一人ひとりが、目の前の患者さまに寄り添うという基本姿勢を忘れず、「またこの薬局でオンライン服薬指導を受けたい」と選んで利用していただけるよう、一層励んでまいります。

プロフィール

石川 愛弓
管理薬剤師/店舗責任者 2019年日本調剤に入社。
日本調剤内で有数のオンライン服薬指導の実施経験を持つ。
2021年に店舗責任者に就任。選ばれる薬局を目指し、地域密着の医療に注力。後輩薬剤師の育成にも力を入れ、店舗一丸となってオンライン服薬指導に取り組んでいる。