2022.03.31活動報告

「オンライン服薬指導」に関するオンラインプレスセミナーを開催|忙しい夫婦のコロナ禍の“チーム育児”を支える!薬局のオンラインサービス活用術とは?

『忙しいパパママの生活をサポートする「オンライン服薬指導」 ~働く親の暮らしやすさ・働きやすい社会の実現を応援する日本調剤~』写真
写真左: 日本調剤・北川 右: 共働き未来大学代表・小山佐知子氏

新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に生活のあらゆる場面でオンライン化が進みました。
医療の分野でも診療や服薬指導のオンライン化が進みつつあり、2022年4月から、自宅にいたままお薬の受け取りまで完結できる「オンライン服薬指導」の規制が緩和される見通しです。これにより、特に、子どもの体調不良で病院、調剤薬局に行く機会が多いご家庭や、コロナ禍で共働きをするパパママの生活にはどんな変化があるのでしょうか。

日本調剤株式会社(以下、当社)では、2022年323日(水)にオンラインプレスセミナー『忙しいパパママの生活をサポートする「オンライン服薬指導」』を開催し、当社の考えるオンライン服薬指導のあり方やメリットをお伝えするとともに、外部講師として共働き未来大学代表・小山佐知子氏をお招きして、働く世代のオンライン活用に関するトークセッションを行ないましたので、その内容をレポートします。

●セミナー概要

<タイトル> 『忙しいパパママの生活をサポートする「オンライン服薬指導」 ~働く親の暮らしやすさ・働きやすい社会の実現を応援する日本調剤~』

<開催日> 2022年3月23日(水)

<内容>
・2022年4月の法改正及び「オンライン服薬指導」のメリットについて
・「パパママの家事・育児の悩みと通院・処方薬に関する調査」結果発表と解説
・トークセッション 「これからのオンライン診療・オンライン服薬指導が生活者にもたらす影響」


*本セミナーはメディア・報道関係者向けにZoomウェビナー形式で開催し、感染症対策に万全を期して実施いたしました。

●登壇者

小山 佐知子氏
共働き未来大学代表 ワーク・ライフバランスコンサルタント
大学卒業後、首都圏の私立大学の募集広報コンサルティング、メディア編集に従事。20179月に「共働き未来大学」をローンチ。個人向けキャリアコンサルティング、法人向け働き方改革コンサルティング、女性活躍推進支援、各種研修を行う。7歳一児の母。


北川 完嗣 (薬剤師)
日本調剤株式会社 薬剤本部薬剤企画部
大学卒業後、日本調剤へ入社。管理薬剤師、エリアマネージャー、薬剤部長を歴任し、2021年4月より現職。
現在は、オンライン服薬指導の普及や自社開発のオンライン服薬指導システム「NiCOMS」の運営を行う。

2022年4月の法改正および「オンライン服薬指導」のメリットについて

オンライン服薬指導の規制緩和。キーワードは「一気通貫」

オンライン服薬指導とは、スマートフォンやパソコンなどのビデオ通話を利用して、患者さまは自宅にいながら処方薬の飲み方の説明を薬剤師から受けることができ、説明後は自宅まで配送されるお薬を受け取ることができるサービスのことです。
お薬が用意できるまで薬局でお待ちいただく必要もなく、自宅などの安心できる場所でプライバシーを守りながら体調や症状について話すことができます。

もともとは「特定の疾患」「再診」のみオンライン服薬指導が可能でしたが、20204月に新型コロナウイルス感染拡大防止を目的に厚生労働省から事務通知(0410通知)が発出され、時限的に「すべての疾患」「初診・再診」での対応が可能となりました。そして、20224月からはさらに規制が緩和され、患者さまはいつでも、オンライン診療・オンライン服薬指導を利用することができるようになります。

オンライン服薬指導に関する規制緩和について

患者さまがもし医療機関の受診もオンラインで実施した場合にオンライン服薬指導を希望すれば、診療からお薬の受け取りまでを一気通貫で、オンラインで完結することができます

オンライン服薬指導のメリットについて、当社・北川は、パパママに知ってほしいメリットとして3つのポイントにまとめて説明しました。

ご自宅にいたまま診療からお薬の受け取りまで一気通貫
―お子さまを連れて外出する必要がなく、外出による感染リスクを避けられます

安心できるご自宅でリラックスして薬剤師に薬の相談ができる
―ご家族で一緒に薬の説明を聞いたり、周りの目を気にせず、症状や薬のことを相談できます

事前に好きな日時を選んで予約できる
―隙間時間などご都合のよい日時を選択でき、薬局で待つ必要がありません

「パパママの家事・育児の悩みと通院・処方薬に関する調査」の結果発表

当社では、20222月に、子育て中のパパとママのコロナ禍における家事や育児の悩みと、オンライン診療・オンライン服薬指導の利用実態などに関する調査1を行っております。本プレスセミナーでは、調査サマリーを改めて発表したうえで、共働き未来大学代表・小山氏より、共働き夫婦の現状について解説していただきました。

医療のオンライン化は、共働き世帯の心強い味方に

ワーク・ライフバランスコンサルタントとして数多くの講演を行うなどダイバーシティ経営や多様な働き方を専門とする小山氏は、医療のオンライン化に、共働き世代ならではの期待感をお話しくださいました。
(以下、小山氏のコメント)

共働き未来大学代表・小山佐知子氏

「忙しいパパママの中で、オンライン診療、オンライン服薬指導の認知度が高まってきていると感じます。医療のオンライン化は、特に時間の使い方の面で、共働き世帯にとって心強い味方になるのではないでしょうか。これまでは通院・お薬の受け取りのために時間を多めに確保する必要がありましたが、オンラインの場合、隙間時間を活用できるようになるので、仕事・育児・家事のタイムロスが少なくなり、また、移動時間なども減るため、在宅ワークとの相性も良いのではないかと思います

現在共働き世帯は増えている一方で、家事になると夫婦でシェアするという文化はなかなか根付いておらず、女性の負担が多い傾向にあるように感じています。
今回の調査結果でも、「子どもの体調不良」が「使える時間に影響する」と回答している女性の割合は、男性より約20ポイント上回っているように、男女間での育児・家事ストレスの差はあるのかもしれません。
たとえば、献立を考えたり、洗濯の準備をしたりというような“名もなき家事”もたくさんありますし、女性の家事への負荷を軽減するためにも、オンラインサービスなどをうまく活用して家族で「チーム育児」を行えるといいと思います。
100%オンラインに頼るのではなく、オンラインとリアルを共に活用し、双方のメリットを活用しながら、オンライン服薬指導サービスも普段の生活の中で活用していけるといいですね。」

※1 パパママの家事・育児の悩みと通院・処方薬に関する調査

トークセッション 「これからのオンライン服薬指導が生活者にもたらす影響」について

プレスセミナーの最後には、2名でのトークセッションも行ない、働き世代のオンライン活用に関する意見を交換しました。

暮らしをもっと便利に、安心に

共働き未来大学代表・小山氏(以下、小山氏) 服薬指導がオンラインできるようになることで、より暮らしが便利になるだろうと感じています。私自身、子どもの診療で通院しておりますが、通院をすることでの感染リスクを抑え、プライバシーの守られた自宅にいながら服薬指導を受けられるのはとても助かります。

日本調剤・北川(以下、北川) そうですね。たとえば、混合調剤が必要な皮膚科のお薬や、年齢や体重によって量が異なる小児のお薬などは、他のお薬に比べてご用意するまでに時間がかかる傾向があります。その点、オンライン服薬指導を活用することで、薬局でお待ちいただく必要はなくなり、感染対策にもつながります。

日本調剤 北川氏

忙しいパパママの「チーム育児」を促進

小山氏 オンライン診療と合わせることで、診療からお薬の受け取りまで自宅で完結できるという点は、共働き家庭にとってはとても大きなメリットです。また、医療のオンライン化がさらに進むことで、夫婦間でのチーム力が増すのではと考えています。たとえば、これまでママが管理してきた子どものお薬手帳を夫婦間でシェアして、パパママ2人で管理するようになると、家族でチームとして育児を行えるようにもなります。そういった気運を高めていけるという点も、医療のオンライン化の一つのメリットだと思います。

北川 「チーム育児」のためにお子さまのお薬情報をパパママ2人で管理するということは、とても重要だと思います。たとえば、日本調剤の電子お薬手帳「お薬手帳プラス」2では、お子さまのお薬情報をパパママそれぞれのスマートフォンで管理することができます3。将来的には医療業界でもオンラインが当たり前になり、お薬の受け取り方の選択肢が増えていくことを期待しています。

※2 日本調剤の電子お薬手帳 「お薬手帳プラス」:紙のお薬手帳の情報をスマートフォン上で管理できることに加え、日々の健康管理に役立つ安心・便利な機能が充実したアプリです。(「お薬手帳プラス」サポートサイト

※3 「家族管理機能」を利用するには、ご家族の皆さま全員が日本調剤の薬局をご利用の「お薬手帳プラス」本会員となる必要があります。

受診率・治療の継続率向上にも期待

北川 医療のオンライン化は、チーム育児に寄与するだけでなく、実は慢性疾患の方や、定期的に通院が必要な方にもメリットが大きいと考えます。先にご紹介した調査のなかで、「ご自身の両親が定期的に通院している」と回答した方は半数以上という結果が出ました。また、2019年に厚生労働省が行った調査4によると、およそ10人に4人が通院していて、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの慢性疾患が上位を占め、定期的に受診が必要な方が一定数いることが分かります。オンライン診療・オンライン服薬指導にすることで、通院の時間を確保しづらい方でも受診が容易になり、受診率・治療の継続率も上がることが期待できるので、慢性疾患の方の重症化も抑えられるのではないかと思います。
通院が必要な多くの方にとって、オンライン服薬指導は非常に便利なものですし、今後、さらに活用度が高まっていくことを期待しています。

小山氏 オンライン、対面どちらの良さも活用して、家庭環境や通院・症状に合わせて組み合わせていくことが大切だと思います。新型コロナウイルスの影響で気の休まらない日々が続いていますが、その分、時間を捻出する機会にも恵まれているので、オンライン服薬指導のようなサービスを活用して、家族で過ごす時間を増やしていきたいと思います。

※4 2019年国民生活基礎調査の概況

トークセッション終盤には、医療サービスのオンライン化が共働き世代だけではなくさまざまな世代にとっての利便性向上に寄与するとの期待感を寄せつつ、セミナーは大盛況のうちに終了いたしました。

質疑応答

ご参加いただいたメディアの方々からの質問に、登壇者が回答しました。(一部抜粋)

Q. オンライン診療やオンライン服薬指導を知っていても、初めて利用するのはハードルが高い気がしています。病院や調剤薬局から、利用を促すような発信や取り組みはあるのでしょうか。

北川 当社では各薬局店舗で、オンライン服薬指導を実際にどのように行うのか、お試しいただくことができます。すべての店舗で取り組んでいますので、ご興味がある方は日本調剤の薬局にお越しいただき、その場で薬剤師と一緒にお試ししてみていただければと思います。

Q.オンライン服薬指導を利用する人は、どういった層の方が増えているのでしょうか。

北川 小さなお子さまがいるパパママ世代が多くなっています。先ほどお伝えした調査結果や、小山さまのお話を聞いていても、パパママ世代とオンライン服薬指導の相性は非常に良いと思いますし、実際に興味を持たれる方も多いです。
やはり、スマホやタブレット、パソコンをそれなりに使用できるという点も、パパママ世代と合っているのかなと思います。
また、抗がん剤などを処方されている方も、コロナ禍ということもあり、オンライン診療・オンライン服薬指導を利用する方が増えています。