2023.10.10|更新日:2023.10.10オンライン診療

医師も患者さまも時間を有効活用!時短につながるオンライン診療

仕事や家事に追われる女性

自院にオンライン診療を導入することで、診療の運用がどのように変わるのか、本当に効率が上がるのか、不安な方も多いかもしれません。業務効率化・時短になるのであればオンライン診療を導入してみたいが、実際どう効率が上がるのか分からず、なかなか始められないという方もいらっしゃると思います。
今回はオンライン診療を実施すると、どれだけ時間を有効に使えるのか、クリニックと患者さま双方の目線でご紹介していきます。

利用者の時短に!実際にどのくらい時短になるのか

今までは通院することが当たり前で、移動時間や待ち時間のほかにも、予約時間を厳守しなくてはならない心理的ストレスなど、患者さまには心身ともにさまざまな負担がありました。体調が悪くなり病院に行くときも、体がつらい状況で外出し、クリニックで待たなければならず、体にも負担がかかります。そんな時にオンライン診療を活用すると、自宅から外出せずに済みますし、大幅な時間の削減にもなり、通院によるストレスから解放されます。
診察と服薬指導、どちらもオンラインを利用することで患者さまの受診にかかる時間を大きく減らすことが可能です。
では実際にどのくらい時短になるのか見てみましょう。

対面診療・対面服薬指導とオンライン診療・オンライン服薬指導での時短比較

これまでの対面診療を行う場合、「診療待ち」や「会計・処方待ち」などの待ち時間が長くかかってしまうことが分かります。しかし、オンライン診療の場合、「行く」「待つ」という手順が軽減されるだけで、一連の時間をかなり削減することができます。時間や距離などが要因でクリニックに行くことが負担になっている患者さまには、非常に有効な選択肢の1つになるでしょう。

気軽に受診できることで継続率UP!オンライン診療にオススメの疾患

医療機関への受診がオンラインで気軽にできると、受診の負担感が軽減します。慢性疾患や持病をお持ちの患者さまで、症状が落ち着く期間は受診をやめてしまい症状が悪化してしまうといったケースでは、継続した受診を促すことで、離脱を防止することが可能です。
時短のメリットに焦点を当てたとき、どのような患者さまにオンライン診療を勧めやすいか、2例ご紹介します

【①時短による継続受診率アップ オススメ疾患】

  • 高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病
  • アレルギー性鼻炎(舌下免疫療法)
  • 症状の落ち着いている喘息
  • 花粉症
  • ニコチン依存症(禁煙外来)
  • PMS(婦人科系薬)
  • 不眠症(睡眠薬)
  • 皮膚疾患(美容や継続軟膏薬)

生活習慣病やアレルギー性鼻炎、喘息などの疾患をお持ちの患者さまで症状が安定している方や、薬の服用によって症状が緩和・改善されている方は、体調が良くなってきている!と勘違いしてしまい、服用を中断してしまう患者さまもいらっしゃいます。受診・服用が継続しないことで、症状が悪化する場合も多くみられます。そういった方に対しては、まずは服用により症状が安定していることをしっかりと理解してもらう必要があります。そのうえで、継続しにくい理由を明確にし、「時間がない」や「通うことが億劫になる」などの理由であった場合は、継続する手段としてオンライン診療を提案することが可能です。

また上記と同じ疾患をはじめ、花粉症や禁煙外来など、毎月ほぼ同じ薬を服用していて薬を受け取るために毎月通う方は、診察や服薬指導、お会計の待ち時間を負担に感じる方も多くいらっしゃいます。そういった患者さまには、対面通院を3か月に1回などにし、その間はオンラインで気軽に継続できるようなご提案をすることで、他のクリニックよりも継続しやすいと感じてもらえ、通院離脱を防止できます。

【②薬局での待ち時間削減による負担軽減 オススメ疾患】

  • 粉薬やシロップの多い小児
  • 混合のある軟膏を慢性的に使用しているアレルギー皮膚疾患
  • 粉薬の処方がある片頭痛
  • お薬の粉砕や半錠化、一包化などの準備がある方

薬局をご利用になった患者さまの声を聞くと、通院に時間がかかるイメージをお持ちの方の中には、クリニックでの待ち時間と薬局での待ち時間のどちらも億劫に感じている方がいらっしゃいます。そのためクリニックだけではなく、薬局での待ち時間を減らすことも時短になるイメージにつながり、継続受診を促しやすくなります。粉薬や軟膏など、薬の準備に時間がかかる患者さまは、薬局での待ち時間が長くなるため1度外出されたり、後日薬局に薬を取りに来られる方もいらっしゃいます。そんな方には、どこでの待ち時間もなく、たくさんのお薬もまとめてご自宅に配送ができるオンライン診療・オンライン服薬指導のメリットを最大限ご活用いただくことが可能です。

忙しい患者さまの隙間時間にアタック!オンライン診療ニーズのある患者層

前述では、オススメの疾患について紹介しましたが、次はその疾患を抱えていて、且つニーズのある患者層をご紹介します。

【ニーズのある患者層】

  • 遅くまで仕事があり、なかなかクリニックに行けない会社員
  • 休日に受診すると、待ち時間が長く受診に1日費やしてしまう方
  • 待ち時間が大変な子供連れの親御さま
  • パートタイムで働いていて、時間のない主婦/主夫
  • 引越しなどで病院が遠くなってしまったが、変わらず同じ医師に診てもらいたい方
  • さまざまな事情で交通機関での移動が困難な方

日々忙しく過ごされる中、自分の体調管理が後回しになっている患者さま、クリニックに行くこと自体が大変な患者さまにとっては、気軽に受診できることが重要になります。「行く時間がないから…」「行きたい時間にはもう開いていない」「子どもを連れて通院するのが大変」「待ち時間が長いのがストレスになってしまう」などの “継続しなくなる要素” を取り除く手段として、オンライン診療を活用してもらうことができます。

医師の隙間時間を活用できる!

患者さまの時間の有効活用などについてお話ししてきましたが、医師の皆さまにとっても、オンライン診療を上手く利用することで時間を有効活用することができます。オンライン診療の診療時間の導入方法については、以下の2パターンがあります。

  1. 対面診療の休憩時間や、休診日にオンライン診療を行う方法
  2. 対面診療と並行して、織り交ぜながら診療を行う方法

1. の場合

通常の開院時間外で、医師が1人でオンライン診療を行うことが想定されます。

  • 診療開始時間前の、朝の時間帯
  • 他のスタッフの方々を休憩に出して、1人で動ける休憩時間
  • 休診の午後や、休診日

スタッフの皆さまの出勤を遅くしているが、自分は早くから動けるためその朝の時間を有効活用、午後休診の時間にオンラインのみ診察を行い、他の作業を行う間に予約が入れば対応する、などご自身の働くスタイルに合わせて上手く活用されている医師の方々もいらっしゃいます。
1人オペレーションを行うことができるのが、オンライン診療のメリットでもあります。最初は慣れない場合もありますが、「運用を続けるうちに、短い時間の中でカルテ入力から処方箋発行、薬局への処方箋FAXまで、1人で行うことに慣れてきた。」という声も上がっています。

2. の場合

この方法は、1つのクリニックに数名の医師が勤務している場合に見られる導入パターンです。
この場合オンライン診療の診療時間は、通常のクリニック開院時間と同じ枠で設けられているため、患者さまはこれまでの対面診療と同じ時間でクリニックに直接行かずに診療を受けられるというメリットがあります。しかし、対面診療を行う患者さまと並列での対応で複数名が被ってしまった場合、患者さまをお待たせすることとなってしまうため、医師が2人以上常駐している場合や新規患者流入を見込むクリニックにオススメの方法となっています。

オンライン診療対応中

継続患者をオンライン診療に移行して、時間を確保!対面診療で新規患者を流入

これまで挙げてきたような、オンライン診療に適している患者さまに対面での通院からオンライン診療への移行をオススメし、その空いた枠で新たに対面での外来患者さまを対応することも可能です。初めて新しいクリニックに行く患者さまにとっては、先生に診てもらえる内容やクリニックの雰囲気、スタッフの皆さまの対応などに加え、待ち時間や案内のスムーズさも、かかりつけのための重要な要因の1つになります。これまでの患者さまはオンライン診療でしっかりとフォローし、新しい患者さまによりよい診療と体験を提供することも可能です。

まとめ

オンライン診療によって、医療機関も患者さまも効率的に診療・受診できるようになることで、双方にとって時短になり、別の新しいことを行える時間が増えるようになります。忙しく過ごす現代人にとって、時間をどう生み出すかというのは生活するうえでとても重要なことです。便利なツールを組み合わせて活用することで、より生活が豊かになります。医療も、身近で気軽に利用することができれば、日々の生活も健康維持も行いやすくなります。このようにオンライン診療の導入によって、さまざまな患者さまにとっての「かかりつけ」を目指すことができます。
各医療機関によって、導入方法もメリットも異なってきます。自分のクリニックに合ったオンライン診療の導入方法にお悩みの方は、ぜひ日本調剤へご相談ください。

日本調剤は医療のオンライン化にいち早く取り組み、豊富な実績がございます。

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