2022.07.15お役立ち情報

教えて! 電子処方箋 ~その1 電子処方箋とは?~

薬剤師の様子

2023年1月より運用が開始される予定の「電子処方箋」。生活のあらゆる場面でペーパーレス化、オンライン化が進む中で、処方箋もオンラインでやり取りする時代がやってきます。
今回は、そんな「電子処方箋」について解説いたします。

電子処方箋とは?

電子処方箋のメリット

電子処方箋が抱える課題

電子処方箋とは?

皆さんが病院で受診後、薬の名前などが書かれた紙を受け取ることがあると思いますが、その紙が「処方箋」です。医師が、病気の治療に必要な薬を選定し、その分量や使用方法、使用期間を文書にしたもので、患者さまに交付されます。そして薬剤師が処方箋の内容が適正であるか確認した後、薬の準備・調剤をします。処方箋は、患者さまの薬物治療を行う上で重要な役割を担っています。

電子処方箋は、「これまで紙でやり取りしていた処方箋を電子的に運用する仕組み」で、処方箋の情報をデジタルデータにして活用します。電子処方箋の運用とは、漢字の通り、「電子化=紙の文書などを、コンピュータで使えるようデジタルデータにすること」、「電子的に運用する=デジタルデータを活かして用いる」ということです。
電子処方箋になると、患者さまは処方箋原本を受け取る必要がありません。医師が、専用のシステムに処方箋のデータを登録し、薬剤師は患者さまの同意を得たうえで、調剤に必要なデータを取得して薬を準備することが可能になります。

電子処方箋のイメージ

ちなみに、海外で国を挙げて医療情報の電子化に取り組み、効率的な医療の提供に成功している例として、バルト三国のエストニア共和国が挙げられます。エストニア共和国では、なんと2010年には処方箋が電子化されていたそうです
総務省「情報連携による効率的・効果的な地域医療の提供」(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc233210.html)より引用

では、電子処方箋の運用によって、どんなメリットがあるのでしょうか。

電子処方箋のメリット

大きなメリットとして3つ考えられます。

1. 病院・薬局間のスムーズな情報連携で、より良い医療サービスを受けられる
処方箋の内容をデジタルデータ化することにより、医療機関の間で情報共有がスムーズになります。患者さまが複数の医療機関をご利用の場合でも、それぞれの医療機関で処方・調剤された情報を素早く把握し、薬の飲み合わせ等の確認を正確に行えるため、安全性の向上が期待されます。
薬局においては、処方箋が電子化されることで、スタッフによる処方箋内容のシステム入力作業が不要になり、より丁寧な患者さま対応に注力できるようになります。また、医療機関・薬局間の円滑なコミュニケーションが可能となり、疾患や検査値、副作用やアレルギーなどの情報も連携しやすくなりますので、薬剤師による服薬指導の質も向上します。
薬剤師から患者さまに、薬の正しい使用方法や保管方法、注意したい副作用や飲み合わせなどを説明すること。

2. お薬代の負担が減る可能性がある
医療機関の間で情報共有がスムーズに行えることで、患者さまが複数の病院を受診している場合に、同じ薬効の薬がそれぞれの病院で処方されることを防ぐことができます。そのため、患者さまは薬を重複して受け取らずに済み、お薬代の負担が減る可能性もあります。
薬の効能のこと。

3. オンライン診療やオンライン服薬指導がより便利に
処方箋が電子データに変わることで、紙のやり取りが不要となり、診察から服薬指導までオンラインで完結します。今よりも、オンライン診療・オンライン服薬指導が利用しやすくなります。患者さまにとっては、処方箋を紛失しまうリスクもなくなります。

また、電子処方箋になると、処方箋の保管スペースの削減や、処方箋の偽装や不正の防止、健康保険証の変更に伴う本人確認が容易になるなど、医療機関側にとってもメリットがあります。

電子処方箋が抱える課題

一見、便利なことしかないようにみえる電子処方箋にも課題があります。それは、マイナンバーカードの普及が前提であるということです。
電子処方箋の運用はオンライン資格確認の基盤を活用することで進められます。オンライン資格確認では、マイナンバーカードで本人確認を行い、薬剤師は、この本人確認をもって電子処方箋を取得できるようになります。そのため、電子処方箋を使用してメリットを享受するためには、マイナンバーカードを持つことが必須となります。
まずは、生活者の方々がマイナンバーカードを持ち、そしてオンライン資格確認を普及させることが先決なのです。

資格確認とは、医療機関・薬局の窓口で、患者さまの直近の資格情報など(加入している医療保険や自己負担限度額など)を確認すること。オンライン資格確認は、マイナンバーカードのICチップなどにより、オンラインで資格情報の確認を行うことをいいます。

ぜひこの機会にマイナンバーカードを持ち、来る電子処方箋の時代に備えておきましょう。